YouTuberのゆたぼん君が中学校に行かないという宣言をしたことが話題になっていましたよね。それに伴い、ゆたぼんパパとひろゆきさんがTwitter上でバトっていました。
登校が嫌なら通信制の中学校で教育を受けることは可能。
子供に教育を受けさせる義務を放棄してる親には罰則が必要だと思います。
教育の機会を捨てるのを是とする考えを広めるのは社会的に良くないしアホの再生産になります。子供は被害者なので責めるべきではないです。https://t.co/BvPckSABmi
— ひろゆき (@hirox246) April 9, 2021
義務教育の意味を理解してないアホがなんか言ってら。子どもが学校に行かないからと言って親は教育を受けさせる義務を放棄してるわけではない。
それに通信制じゃなく家庭内で教育を受けされることはできるし、そもそも我が家はホームスクーリングだってずっと言ってるしな。https://t.co/PaEEIaEBoJ
— 中村幸也@ゆたぼんのパパ (@yukiya_mind) April 10, 2021
このように、学校に行く必要性について議論されています。
そこでこの記事では、元小学校教員が学校に行くメリットについて解説します。学校に行かないことで生じるデメリットについても解説していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
※この記事では学校へ行くメリットを解説していますが、学校に行け!と強要しているわけではありません。
- 学校に行く意味が分からない方
- 学校に行くことが面倒くさい方
ゆたぼん君中学校行かない宣言
引用サイト:YouTube
何かと話題になっているYouTuberのゆたぼん君ですが、動画の中で下記のように主張していました。
「教育は学校に行くことだけじゃないからホームスクーリングとかフリースクールでもいいねん!」
もちろんその意見については賛同できます。学校に苦しみながら行くのは辛いですからね。
しかしこの一面だけを見ると、「学校楽しくないから行かないでおこう!」と考えてしまうお子さんが増えそうだと考えます。何も考えずに学校に行かなくなると、失うものが多くあります。
もし「学校に行かない」と考えている方は、その失うものも把握しておく方が良いでしょう。
ホームスクーリングとは
そもそも、ゆたぼん君が行っているホームスクーリングとは一体何なのでしょうか?
ホームスクーリングとは学校へ通学することなく、自宅で学習して正規の学校教育を補うものです。
例えば、学校へ通わずに自宅でお母さんが子どもに勉強を教える姿がホームスクーリングです。電気を発明したエジソンも学校へ行かず、お母さんの指導だけを受けた後、自分の力で数々の発明をしました。
学校に行く最大のメリットは勉強じゃない!
メンタリストのDaiGoさんは科学的な見解として、学校に行く1番のメリットは同世代との人間関係だと言います。
上の世代や下の世代と話が合わないことってありませんか?一方、同世代とはコミュニケーションが合うことが多いでしょう。
これは世代によって世代間で行われるコミュニケーションツールなどが違うからです。時代によって、ポケベルから携帯電話、スマホへと移行しています。それなのにコミュニケーションは変わらない、なんてことはありませんよね。
このようなコミュニケーションは人間関係の中でしか学べません。つまり、このコミュニケーションはホームスクーリングでは強化されづらいということです。
早期教育はあまり効果がない?!
少し前の時代には、幼少期に行う早期教育がIQを高くすると噂されていましたが、一概にそうとは言えないと最近の研究で判明しました。
IQと最も関連する脳部位は、前頭前野と呼ばれる場所です。ここで前頭前野を調べた研究について紹介します。
ある研究で、307人の子どもをIQテストの得点によって、「特にIQが高い」「IQが高め」「平均的」問3つのグループに分け、6〜19歳までの皮質の厚さの変化とIQの高さの関係について調査しました。
すると、なんと7歳の時点で前頭前野の皮質が最も成長していたのは、「IQが高め」と「平均的」グループで、「特にIQが高い」グループは、他二つに比べ脳が発達していませんでした。
つまり、早くにIQを高くしても意味がないということがわかります。では、IQを上げるには何が大事なのでしょうか?
その答えは、非認知能力です。
非認知能力とは、一つのことに粘り強く取り組む力や、内発的に物事に取り組もうとする意欲などを指します。簡単に言えば、勉強などでは測れない能力のことです。
非認知能力について詳しく書かれているポールタフさんの「私たちは子どもに何ができるのか-非認知能力を育み、格差に挑む-」では、
非認知能力は、読み書き計算のように教えて身につくものではない。
「環境」の産物なのだ。
と記されてます。
つまり、IQを上げるためには非認知能力が必要で、この非認知能力は環境によって身につくということです。
私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力を育み、格差に挑む /英治出版/ポール・タフ
学校に行くことでIQが向上する
以上のように子どもにとって重要なのは、勉強で学ぶことができる知識よりもコミュニケーションの中で学ぶことができる言葉にできない知識だと言うことができます。
特に、同世代の中でコミュニケーションをとるためには学校が最も効果的です。
実際、学校での教育機関を延長するにつれてIQが高くなるという研究も挙げられています。
ノルウェーのオスロ大学の研究者Christian N. Brincha氏とTaryn Ann Gallowaya氏は1950年から1958年までに生まれた男性のデータを調査し、7年の義務教育を受けた男性と9年の義務教育を受けた男性の19歳の時のIQ、および30歳になるまでの学歴を比較。研究では約10万7000人分のそのデータを使用したとのこと。
IQは平均値が100であり、85~115の間に約68%の人が収まり、70~130の間に約95%が収まると言われています。ノルウェーでの調査では、9年の義務教育をフルで受けた男性は、7年の義務教育を受けた男性よりもIQスコアが7ポイント高く、8年の義務教育を受けた男性は7年の義務教育を受けた男性よりもIQスコアが3.7ポイント高いという結果に。教育改革の都合上、義務教育の延長がなかった世代、1年だけ延長された世代、2年の延長があった世代、という3つの分類が存在したわけですが、義務教育が1年延長されるにつれてIQスコアが高くなり、男性の認知能力に大きな影響を与えていたわけです。
つまり、学校に通う期間が長い方が、IQが高いことがわかります。
学校に行かないデメリット
学校に通わないということは子どものIQや非認知能力を育てるという観点でデメリットが大きいです。
ホームスクーリングで十分だと、ゆたぼんパパは発言していました。専門家や様々なYouTuberなどの大人と関わることで学んでいることがYouTubeを見てもわかります。
しかし、大人というものは子どもに対して譲歩するものですよね。これにより、ケンカのようにぶつかることはありません。
ところが、時には理不尽な形でもぶつかったり喧嘩をすることで、コミュニケーションすることも重要になります。この経験ができないとなると、学校に行かないことで生じるデメリットは大きいものになります。
まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、学校に行くメリット、学校に行かないデメリットを紹介しました。
もちろん、無理してでも学校に行きなさい!というわけではありません。しかし、自分がその選択をすることで失うものを知る必要があります。
十分考えた上で、学校に行くのか、他の選択肢を選ぶのか考えましょう。