「子どもにお願いをしても聞いてもらえない!」といった悩みをよく聞きます。
- 静かにしてほしい
- 勉強をしてほしい
上記のような願いを持っていても、子どもからYESと返ってくることは少ないでしょう。
このような場面で、もし「NO」という答えが「YES」になる可能性が高くなるなら高くしたいですよね。
そこでこの記事では、「NO」という答えが9割「YES」になる魔法の手順を紹介します。
- 子どもに言うことを聞いてほしいと思っている方
- 上手にお願いできるようになりたい方
子どもの答えを「NO」から「YES」に変える3ステップ
「NO」を「YES」に変えるには、簡単な3ステップがあります。
- 願いをそのまま言葉にしない
- 相手のメリットを考える
- 願いとメリットを一致させる
この3ステップを踏むことで「YES」になる可能性が上がります。読んですぐに実践できますので、ぜひ参考にしてください。
願いをそのまま言葉にしない
自分の願いをそのまま口にしていませんか?
- 「お願い!手伝って!」
- 「勉強しなさい!」
などなど…。ストレートに自分の願いを伝えることで、うまくいくこともあります。
しかし、うまくいかないことも同様にありますよね。いわばギャンブルです。
もしかしたら人生を左右されるかもしれない場面でも、ギャンブルに任せてもいいのでしょうか?うまくいく可能性を少しでもあげたいですよね。
可能性を少しでも上げるには、まず頭で思ったことをそのまま口にすることをやめましょう。
相手のメリットを考える
グッとお願いを言うことを堪えたら、お願いに対して相手がどう考えるかを想像しましょう。
例えば、病院で子どもが騒いでしまい「静かにしてほしい」とあなたが思ったとします。
仮にそのまま「静かにしてね」と言ったとすると、子どもはどう反応すると思いますか?
もし、「YES」となりそうならそのまま思った通り話してしまいましょう。一方で、「NO」になりそうだとします。
そのまま口に出しても騒いでいるままの可能性もありますよね。
ここで、相手の頭の中を想像しましょう。
- 何が好きか?
- 何が嫌いか?
- どんな性格か?
わかりうる相手の情報を思い出します。
例えば、ここで「絵本が好き」「構ってもらいたい」という情報があったとします。そして次のステップに向かいましょう。
願いとメリットを一致させる
次に、相手の頭の中を元に言葉を作っていきましょう。
相手が「絵本が好き」「構ってもらいたい」という子どもなら、それを満たす言葉を作ります。すると、「面白い絵本があるけど、一緒に読まない?」となります。
子どもにとったら、まさに望んでいることなので「YES」となる可能性が高いですよね。
この言葉には、実は「面白い絵本があるけど、(静かに)一緒に読まない?」という意味が隠されています。
あなたの目的は、「静かにしてもらうこと」です。しかし、子どもからするとそれは「NO」だったりします。そのため、あえて「静かにしてもらうこと」は言いません。結果として、「静かにしてもらうこと」ができたらいいのです。
そのために相手のメリットと自分の願いを一致させましょう。
子どもを動かす7つの切り口
ただ、相手のメリットを考えることって難しいですよね。
そこで、相手の頭の中を想像する切り口を7つ紹介します。
- 相手の好きなこと
- 相手の嫌いなこと
- 決断→比較にする
- 承認する
- 限定化する
- 共同でする
- 感謝する
相手の好きなこと
これは「NO」を「YES」に変える王道です。
あなたの求めることをストレートに言うのではなく、「相手の好きなこと」から作ることにより相手のメリットに変えることができます。
「静かにしてください」→あなたのメリットしかない。
「面白い絵本があるけど、一緒に読まない?」→相手の好きなことをもとに作り、相手のメリットに変わる。
同じ内容のお願いですが、「YES」が返ってくる可能性は下記の方がグッと上がります。
相手の嫌いなこと
一方で、相手の嫌いなことを回避する技もあります。
「○○は嫌いでしょ?だからやらなくていい選択肢を選びましょう」という切り口です。使い方次第では、大きな効果が期待できる方法です。
<div class=”concept-box4″>
「静かにしてください」→あなたのメリットしかない。
</div>
<div class=”concept-box3″>
「騒がしくすると、みんなに嫌われちゃうよ」→相手の嫌いなことから作り、あなたのお願いを聞くことが相手のメリットに変わる。
</div>
決断→比較にする
人は決断をすることが得意ではありません。
たとえその決断が自分にとってメリットがあるものであっても、「YES」と決断しないことさえあります。その一方で、人は2つの選択肢から比較することは得意です。
<div class=”concept-box4″>
「静かにしてください」→あなたのメリットな上に、相手は「静かにする」という決断をしなければならない。
</div>
<div class=”concept-box3″>
「本を読むか、スマホのゲームどっちがいい?」→「こっちがいい」という比較は簡単にできる。
</div>
選択の自由を作ることで、よりあなたのお願いが「YES」で返ってくる可能性が高まります。相手がどちらかを選んでくれれば、「静かにする」と言う目標をクリアできるのですから、どちらでもいいですよね。
承認する
もともと人は、誰かに認められたいという本能があります。そのため、認められると少し面倒なことでもやろうと行動に移すことができます。
私が教員時代のクラスに、教室でボールを投げる子どもがいました。最初の頃、「危ないから教室でボールを投げるのはだめだよ!」と注意していたのですが、私がいない時などにボールを投げてトラブルを起こし続けていました。
そこで、ある日言い方を変えて、「いい球投げるね!外でドッチボールでもしてきなよ!」と言うと、怒られると思っていた子どもはびっくりした顔をして「ごめんなさい」と言い外に遊びに行きました。それから、その子は教室でボールを投げなくなりました。
このように、人は認められると「その人の言うことを聞いてもいいかな」と思えるのです。
限定化する
人は「あなただけ」と限定されることに弱いものです。
「あなただけに特別安くお売りしますよ?」と言われるとついつい買いたくなっちゃいますよね。
「あなただけに言ってる」「あなただけは」と言うフレーズが入ることで大きく変わります。
共同でする
「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」という言葉を聞いたことありませんか?これは、1人だと赤信号を渡りたくなくても、「一緒に渡ろう」と言われると人は動くということです。
つまり、共同で何かを行うことは抵抗が少ないことが分かります。
<div class=”concept-box4″>
「勉強しなさい」→あなたのメリット
</div>
<div class=”concept-box3″>
「一緒に勉強しよう」→一緒であれば人は動く
</div>
上記の場合、大人も勉強しなくてはいけません。ただ、同じように数学や英語を勉強しなくても良いです。子どもが勉強している間、本を読むだけでもしてください。
子どもと一緒に真剣に取り組むことが大事です。
感謝する
「感謝する」は、最終手段です。
当たり前のようですが、人はお願いを叶えてもらうために「感謝」をしてきました。
「ありがとう」という言葉にはすごい力があります。
「ありがとう」と感謝を伝えられると「NO」とは言いにくいものです。
コンビニのトイレにも、「トイレをきれいに使ってください」と書かれているより、「トイレをきれいに使っていただき、ありがとうございます」と書かれていることが増えましたよね。
それほど効果があるのです。
まとめ
最後までご覧いただき、ありがとうございます。いかがでしたか?
今回は、お願いをした時、「NO」という答えが「YES」になる魔法の手順を紹介しました。今回ご紹介した手順で子どもにお願いごとをすると、驚くほどに答えは変わってきます。
ぜひ、「NO」をもらう日々から「YES」をもらう日々に変えていきましょう。