近年、様々な参考書が出版され、どの参考書が良いのか分かりづらくなりました。
せっかく購入したのに、「まだ自分のレベルに合っていない」「解説が分かりづらい」といった事態にはなりたくないですよね。
そこでこの記事では、元教員&塾経営者である私が、
高校受験におすすめの英語参考書をご紹介します。
どの順番で進めば良いのか分かる参考書ルートもご紹介していますので、ぜひご参考にしてください。
- 入試に向けて英語の成績を上げたい方
- 高校受験の英語対策におすすめの参考書や問題集を探している方
- どんな順番で英語の参考書を進めれば良いのか知りたい方
英語高校受験対策の参考書ルート
中学3年生の1年間を下記の3つの時期に分けて参考書を進めることがおすすめです。
- 4月〜夏休み
- 夏休み〜冬休み
- 冬休み〜受験直前
4月〜夏休みは基礎固め
中学3年生の4月〜夏休みは基礎固めをしましょう。
- 単語
- 熟語
- 文法
簡単な文章を見ても、単語や文法が分からなければ前に進めません。
これは日本語でも同じです。
難しい言葉が多い長文を読めない方は多いですが、簡単な言葉が並んだ長文は気軽に読めますよね。
同じように、英語に苦手意識を感じている方は、簡単な単語や熟語、文法といった基礎が分かっていない事が多いです。
つまり、基礎が理解できると英語に対する苦手意識を取り除けます。
なお、この基礎が既にできている方は先に進んでもOKです。
夏休み後〜冬休み前は応用問題をどんどん解こう
夏休みまでに基礎を固めたら、応用問題をどんどん解き始めましょう。
- 長文対策
- 英作文
基礎を身に付けていれば、「長文を全く読めない」なんてことにはなりません。
しかし、それだけでは成績は上がらないでしょう。
長文読解にも解き方があります。
この解き方を問題集で学ぶことが大切です。
英作文も長文と同様です。
解き方を理解した上で反復学習をすることにより、英作文ができるようになります。
なお、応用問題を解きながら基礎の復習も続けましょう。
復習を怠ると、どんどん英語力は失ってしまいます。
冬休み〜受験直前は志望校対策
冬休みに入ったら、志望校対策を行いましょう。
過去問を参考に出題傾向を把握し、その傾向に合わせた対策を行います。
過去問を実際に解くことも大切です。
実際に時間を計って本番同様の気持ちで臨むことで、より効果を高められます。
そして、できなかった問題や苦手な分野を把握し、再び参考書に取り掛かりましょう。
リスニング対策もこの時期から行いましょう。
もちろん、単語の発音や例文のリスニングは常日頃から行う必要があります。
この時期に行うリスニング対策は、リスニングの問題を行うということ。
リスニングは文法などを把握した上で聴く方が力になります。
高校受験におすすめ英語参考書【基礎編】
それでは、具体的にどの英語参考書がおすすめなのかについてご紹介します。まずは、基礎編から見ていきましょう。
- 単語帳
- 熟語帳
- 英文法参考書
おすすめ単語帳
高校受験におすすめの単語帳は下記の3つです。
- ターゲット 中学英単語1800 四訂版
- 中学版システム英単語<改訂版>(駿台受験シリーズ)
- キクタン
それぞれ特徴や対応レベルが異なりますので、自分に合った単語帳を選びましょう。
ターゲット 中学英単語1800 四訂版
こんな方におすすめ
- 暗記が苦手な方
- 単語のリスニングも聞きたい方
ターゲットは、高校入試の過去問を分析し、頻出度の高い1800語を厳選した英単語帳です。
単語は5つのレベルに分けられて配列されているため、順番に進めることで重要単語を効率的に覚えられます。
また、ターゲットは1語1訳となっています。
つまり、1つの単語で1つの意味を覚えることを重視しているのです。
もちろん多義語も記載されていますが、赤文字にはなっておらず、重要視されていません。
暗記が苦手な方にとっては、1つの意味を覚えるだけでも立派です。
逆に、一気に多義語を覚えようとすると、何一つ覚えられないでしょう。
そのため、ターゲットは暗記が苦手な方におすすめです。
また、ターゲットのリスニング機能では、単語の発音をチェックできます。
他の単語帳では、単語を使った例文のリスニングとなっていますので、フレーズよりも単語で覚えたい方にもピッタリです。
中学版システム英単語<改訂版>(駿台受験シリーズ)
こんな方におすすめ
- 難関高校を受験する方
- 単語の語源や類義語、派生語なども知りたい方
システム英単語は、最難関の高校入試まで対応している英単語帳です。
中1レベルの英単語から高校英語レベルの英単語まで、段階的に無理なく進められるよう構成されています。
ターゲットとは違い、システム英単語は1つの英単語に複数の意味が記載されています。
また、英単語の語源や類義語、派生語なども詳細に説明されているのも特徴的です。
リスニング機能では、「英語例文1回読み」と「トリプル・リピート(英語→日本語→英語→英語)」の2パターンをダウンロードできます。
例文を聞くことで、文法や会話表現なども自然と身につけられるでしょう。
キクタン
こんな方におすすめ
- 楽しく英単語を覚えたい方
- 通学中など、本を開かずに英単語を覚えたい方
キクタンは、リズムに乗って英単語を覚えられる英単語帳です。
楽しい音楽に乗せ、「英語→日本語→英語」の流れになっているチャンツが収録されています。
英単語の量は896語で、先述した2つの英単語に比べてやや少なめです。
しかし、1日16語覚えると、2ヶ月でこの1冊を1周できるように設定されているため、早めに自信をつけられます。
また、リスニングで英単語を覚えられるようになっているため、通学中など本を開けずに覚えられます。
そのため、気軽に英単語を覚えたい方におすすめです。
おすすめ熟語帳
高校受験におすすめの熟語帳は下記の2つです。
- ターゲット 中学英熟語400 四訂版
- 世界一覚えやすい中学の英熟語430
それぞれ比較して確認しましょう。
ターゲット 中学英熟語400 四訂版
こんな方におすすめ
- 効率的に熟語を覚えたい方
- 間違えやすい熟語も知りたい方
単語帳でもご紹介したターゲットシリーズの熟語バージョンです。
単語帳と同じように、入試によくでる順に熟語を学べます。
また、熟語だけでなく場面別の会話表現や直前暗記に役立つグルーピングチェックなど、熟語学習をより深められます。
「ミス防止」や「差がつく」、「応用」などもあり、間違えやすい熟語などを意識して学ぶことも可能です。
ターゲット単語帳バージョンとセットで利用すると、学び方が定着しやすいでしょう。
世界一覚えやすい中学の英熟語430
こんな方におすすめ
- 熟語の覚えやすい解説を知りたい方
- 熟語を使った例文も知りたい方
世界一覚えやすい中学の英熟語430は、長年進学塾の講師を務めた弦巻氏が作り上げた高校入試対策の熟語帳です。
熟語の意味だけでなく、その熟語の覚え方を丁寧に解説しています。
また、セットで暗記すると良い熟語も記されているため、効率的に学べます。
熟語を使った例文は、教員がよく使う最も定番な問題です。
そのため、入試や定期テストなどで即戦力になる力が身につきます。
おすすめ英文法参考書
高校受験におすすめの英文法参考書は下記の3つです。
- やさしくまるごと中学英語
- 中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく
- 大岩のいちばんはじめの英文法
自分に合ったレベルの参考書を選びましょう。
やさしくまるごと中学英語
こんな方におすすめ
- 参考書とともに授業も受けたい方
- 英文法を0から始めたい方
やさしくまるごと中学英語では、中学3年間の英語の内容を1冊にまとめており、自分のペースで学習を進められます。
チャンネル登録者数178万人(2022年7月現在)教育系YouTuberの葉一さんが監修した1冊です。
YouTubeにて、この参考書をテキストにした授業動画が公開されています。
そのため、自分1人で参考書を進められない人におすすめです。
また、「学習のコツ」に関する解説と動画も収録されているため、今から英文法の勉強を始める方にもおすすめできます。
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく
こんな方におすすめ
- 中学英語を網羅的に学習したい方
- 視覚的にも分かりやすい解説が好きな方
中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすくは、中学3年間の内容をコンパクトサイズにまとめた1冊です。
中学で習う英文法全ての項目を網羅しており、基礎から学べます。
難しい用語は一切なく、フルカラーのイラストでやさしく学べるよう構成されています。
イラストで分かりやすい解説と練習問題1ページで無理なく1文法を学ぶことが可能です。
中学生だけでなく、中学英語を学び直したい高校生や大人にまで人気を得ています。
大岩のいちばんはじめの英文法
こんな方におすすめ
- 高校生でも使える英文法を知りたい方
- 英文法に余裕のある方
大岩のいちばんはじめの英文法は、高校生を対象にした中学レベルからの英文法参考書です。
対象は高校生ですが、内容は中学レベルとなっていますので、中学生にもおすすめできます。
大学受験やTOEIC、英検など英語技能試験にも通じる英語力の基礎を固められます。
そのため、中学生には少し難しいかもしれません。
ただ、英文法に余裕のある中学生にはおすすめです。
また、高校に進学しても、続けて同じ1冊を利用できます。
高校受験におすすめ英語参考書【応用編】
次に、応用編のおすすめ英語参考書をご紹介します。
- 長文対策
- 英作文対策
英語力に自信がある方は、こちらをご参考にしてください。
おすすめ長文対策
高校受験におすすめの長文対策参考書は下記の2つです。
- 中学英語長文1[基礎からはじめる編]
- 英語長文テーマ別 難関攻略30選
それぞれの特徴を見ていきましょう。
中学英語長文1[基礎からはじめる編]
こんな方におすすめ
- 長文問題が苦手な方
- 分かりやすい解説を読みたい方
中学英語長文1は、60語程度の易しい長文からスタートしているため、基礎から着実に力をつけられる一冊です。
英語が苦手な中学生にとっては、長文は最も避けたい問題でしょう。
そのため、長文の練習ですらやる気が起きないことは多いです。
中学英語長文は、問題が基礎から始められるだけでなく、問題数も多くありません。
そのため、苦にならずに続けられます。
また、解説は東進ハイスクールの名講師である大岩先生と安河内先生が行っているため、分かりやすいと評判です。
英語が苦手な方も、安心して利用できます。
英語長文テーマ別 難関攻略30選
こんな方におすすめ
- 難関高校を受験する方
- テーマごとに長文の練習をしたい方
英語長文テーマ別では、難関高校の長文問題を分析・検討し、6つのテーマに分類して長文を学習できます。
難しい内容のものが多いですが、本文を完全に理解できる全訳付きなので、安心です。
収録されているテーマは下記の6つです。
- 物語分(笑い話、おとぎ話、サスペンス、アクション、ホラー、推理小説、現代小説)
- 自然科学系論説文
- 時事
- 社会
- 文化・人文
- 歴史
テーマに分かれているので、テーマ学習を行えます。
自分の苦手なテーマがあれば、とことん問題を解きましょう。
また、長文を1文ずつ読み込み、理解できるように「構文の理解」や「文法BOX」が記載されています。
重要単語・熟語も長文を読みながら「語句の整理」で覚えられるので、この1冊で中学英語をマスターできるでしょう。
ただ、難問が厳選されているので、英語力に自信がない方にはおすすめできません。
難関高校を志望している方や、難しい長文問題に挑戦したいと考えている方におすすめです。
おすすめ英作文対策
高校受験におすすめの英作文参考書は下記の2つです。
- 高校入試スーパーゼミ英作文
- テーマ別英作文ドリル&ワーク
高校入試スーパーゼミ英作文
こんな方におすすめ
- 英作文を0から学びたい方
- 英作文の基礎力を身につけたい方
高校入試スーパー英作文では、英作文を書く上で必ず必要となるルールを学習できます。
いきなり英作文を解くわけではなく、空所補充問題や整序問題を解いた後、自信を持って英作文に挑戦します。
段階を踏んで英作文に挑戦できるため、英作文を0から学びたい方におすすめです。
レベルも易しい問題からやや難しい問題へと順に配列されているため、取り組みやすくなっています。
テーマ別英作文ドリル&ワーク
こんな方におすすめ
- 英作文が重視されている受験をする方
- テーマごとに英作文の練習をしたい方
テーマ別英作文ドリル&ワークは、英作文頻出テーマを厳選している英作文対策問題集です。
名前を聞くと「問題が羅列しているだけのドリル?」と思われますが、そうではなく、英語ライティングの基礎が惜しみなく書かれています。
また、模範解答は、実際の生徒の解答に加え、よくある間違い例も収録されています。
そのため、模範解答と自分の解答が違っても、安心して答えを導くことが可能です。
高校受験におすすめ英語参考書【過去問編】
高校受験直前におすすめの問題集は下記の2つです。
- 受験用赤本
- 高校入試スーパーゼミ英語リスニング
受験直前は、志望校対策をひたすら行うと良いでしょう。
そのためにも、過去問は必須です。
公立高校入試過去問題
こんな方におすすめ
- 公立高校の受験をする方全員
公立高校入試過去問題は、過去5年分の過去問が収録されている過去問集です。
過去問を行うことは、その入試の出題傾向が分かるのでやらない手はありません。
出題傾向を掴むことで、あなたが受験をする際の傾向と対策を知ることができます。
自分が受験する地域や高校の赤本は揃えておきましょう。
高校入試スーパーゼミ英語リスニング
こんな方におすすめ
- 高校受験でリスニング問題が出題される方
高校入試スーパーゼミシリーズのリスニングバージョンです。
この問題集では、県別のリスニング出題傾向を知れます。
自分の地域の出題傾向を知り、その内容項目を選んで対策を練りましょう。
リスニング対策は必要ないと考える方もいますが、リスニング対策を何もしないと後悔することが多いです。
英語は聴けば聴くほど慣れてきます。
英語を聴くことに慣れていると、リスニング問題は難しくありません。
受験前に、リスニングの準備も忘れずに行いましょう。
ルートに沿って勉強し、英語の自信をつけよう
この記事では、高校受験におすすめの英語参考書ルートをご紹介しました。
このルートに沿って勉強すると、英語の自信が身につきます。
そして、自信がある状態で受験に臨めるでしょう。
英語参考書はたくさん売られているため、あまり効果的ではないものもあります。
一方、今回ご紹介した英語参考書はどれも高校受験に強いものばかりです。
英語参考書に迷っている方はぜひご参考にしてください。