あなたは、「哲学」と聞いて、どのようなイメージを持ちますか?
多くの方は、
- 難しいことを言ってそう
- 宗教感強そう
- 無意味で役に立たなそう
- 屁理屈ばかり
というイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、結局哲学が何の学問なのかわかりませんよね。
そこでこの記事では哲学について簡単に解説し、哲学を学ぶ意味についてご紹介します。
哲学はビジネスで役に立たない?!
最近、ビジネスのための哲学や哲学者の名言が書かれた哲学書が多くありますね。しかし、実は哲学者の中には無職の人が多くいました。さらに言うと、仕事もろくにしない、変態と呼ばれるなど当時変人扱いされていた人がほとんどです。
例えば、「人民主権」を訴えたことで有名なフランスの哲学者ルソーは、愛人との間に5人も子どもをつくっては次々と捨てたり、お尻を出して女性の前に現れたり、といったような変態露出狂だったそうです。
ルソーのようにビジネスで成功した訳ではない哲学者の言っていることを参考にしても、ビジネスで役に立つとは限りませんよね。しかし、多くの方はお金を稼ぐことに関心があり、そこを知るためならお金を出します。そのため、お金にならない哲学でお金を稼ぐためにビジネスマンにターゲットを置いたのです。
つまり結局は、ビジネスのための哲学書は、それを作った人が哲学でビジネスするためのものなのです。
哲学とは考えることを愛する学問
哲学とは簡単に言えば、考えることを愛する学問です。
例えば、子どもたちが
- 「なんで海は青いの?」
- 「なんで1日は24時間なの?」
と言ったような質問をしたとします。そこで、理論や法則を説明しても子どもたちは納得しませんよね。
子どもたちにとって、その理論や法則すら同じように不思議だからです。そうしていくと、「なんで?」「なんで??」と疑問が続きます。つまり、すべての事実が分かったとしても、謎が残るのです。その謎を考えることが哲学なのです。
哲学が生み出すもの
基本的に哲学は自己満足で終わるものばかりです。哲学が誰かに影響を与えることは滅多にないでしょう。しかし、哲学を学ぶことによって物事の新しい法則や本質、意味、価値に気がつくことができます。
例えば、「万有引力」を解明したニュートンは、「りんごが木から落ちる」という事象を見て、引力について解明し、その考え方を使って「月が地球に落ちてこないこと」について説明しました。
実はこれも哲学から生まれたものです。ニュートンは、「なんでリンゴが木から落ちたのだろう」と考え、ひたすらその答えを追求したため、「万有引力」と言う答えを導き出しました。このように、哲学をすることで今までなんとなく当たり前のように見ていたものも、「これはどういう意味だろう?」考え始めます。
つまり私たちが当たり前に知っているものの法則や価値は、先祖たちが「なんで?」と考えたことによって生まれたのです。
哲学を学ぶ意味
ここで、哲学を学ぶ意味を3つ紹介します。
- 当たり前と思っていることの本質を知る
- 俯瞰して物事を見ることができる
- 自分自身の思考を深めるため
1.当たり前と思っていることの本質を知る
哲学を学ぶことで当たり前と思っている事の本質を知ることができます。
あなたは「幸せになりたいな」と思ったことはありますか?私は昔、漠然と幸せになりたいなあとずっと思っていました。
しかし、「幸せ」ってなんなのでしょうか?
例えば、好きなものに囲まれていると幸せ、異性にモテていると幸せ、など色々な幸せがありますよね。
このように考えると、
- 好きなものに囲まれる▶︎好きなものを買うためにお金が必要
- 異性にモテたい▶︎外見を整える服装や整形をしたい▶︎お金が必要
と考え、「お金があると幸せだな」と思っている人が多いでしょう。もちろんそのような方を否定するつもりはありません。実際、お金がなければ生きていくことが難しい時代です。
しかし、お金がたくさんある=幸せになるのでしょうか。そもそもどのくらいお金があれば幸せになるのでしょうか。
例えば小学生の頃は5万円もあればゲームソフト10個は買える!と思って幸せになっていたものの、大人になって5万円で幸せになると思っている方は少ないでしょう。結局、同じ5万円でもものの見方が変わることで幸せになるかの基準も変わっています。
そうすると、お金が増えれば増えるほど基準も上がり幸せになりづらくなりますよね。幸せの本質は、お金と切り離さなければならないのです。もちろん、お金を稼ぐことも大事です。
しかし、そのようなお金を稼ぐ技術と幸せについて考える哲学を切り離して考えることこそ、今の時代に必要なのです。このように、普段何気なく使っている「幸せ」というものも哲学することで本質を考えることができます。
2.俯瞰して物事を見れる
哲学を学ぶことで俯瞰して物事を見れるようになります。
例えば、哲学を学ぶと「友情」や「愛」などふだん考えないような当たり前のことが、どういったものなのか、どこから「友情」でどこから「愛」に変わるかなどを考えることができます。
すると、自分はどのようなきっかけで「友情」や「愛」が生まれるのかを知ることができ、人間関係が単純明快に思えます。
実際、私は、「友情」について考え直したことがあります。それまでは、なんとなく友達は多い方がいいかなあと思っていました。しかしどういった場合に友情が生まれるのか、友達ってどんな存在なのか、と考えると
- 一緒にいて落ち着く
- 考え方が似ているが、違う視点からも意見を言ってくれる
という考えが出てきました。
そこで、今までは価値観が全く違う人とも飲みに行ったりしていたのですが、それはそれとして、友情とは別で考えるようになりました。そうすると、余計なストレスがなくなり、本当に仲良くしたい友人との付き合いを大事にするようになったと実感しています。
このように、俯瞰して物事を見ることで、自分の思考の構造を知ることができます。
3.自分自身の思考を深めるため
最近、ロジカルシンキングが大事という考えが多くありますよね。ロジカルシンキングとは論理的思考のことをいい、物事を論理的、体系的に整理し、筋道を立てて考える思考法のことです。
仕事において、ロジカルに考えることができないことで、時間が消耗したり、無駄が増えることが多くなったりしてしまいます。
逆にロジカルシンギングを上手にできる人は、仕事が早いだけでなく、論理的なメッセージを伝えることによって、相手を説得して、自分の思うような反応を相手から引き出すことができます。哲学では、このロジカルシンキングが重要となります。
例えば、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、
「すべての人間は死すべき定めにある。」
「私は人間である。」
「ゆえに私もいつかは死ぬ。」
ということを述べました。
この考え方は、3段論法というロジカルシンキングの技です。このように、「AだからB」であるという風に論理を積み重ねることで複雑なテーマに対しても、答えに近づくことができます。
つまり、哲学を続けることで、物事をロジカルに捉える力が自然と身に付きます。
まとめ
哲学に答えはありません。さらに、役に立つことも少ないかもしれません。しかし、普段何気なく使っている言葉や物事の価値をあらゆる哲学者たちが考え、進化し続けてきました。
次は、あなたが新しい価値を見つけることができるかもしれません。誰しもが哲学者です。ぜひ、哲学してみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!